法改正の動きが進むアメリカの音楽著作権、MMAに概ね好意的な反応も一部懸念の声

2018年5月17日 15:47
Senator Dianne Feinstein (D-Calif.) (photo: Senate Democrats CC 2.0)
Senator Dianne Feinstein (D-Calif.) (photo: Senate Democrats CC 2.0)


アメリカの音楽著作権における改正案として、音楽現代化法(Music Modernization Act (MMA))(注:主に現在活動していないアーティスト側の利益を目的に1972年以前に製作された音楽ライセンスに対しての著作権に関する法規制)が4月25日、合衆国下院を全会一致で通過したと報じられた。

アナログ時代に作られた楽曲が、ストリーミングなどデジタル配信サービスで使用された場合のロイヤリティーを正当に分配する新たな団体を立ち上げる案など、改正案について好意的な意見が多くを占める中、疑問視する声も少なからずあるようだ。

現時点でこの法案では集金されたロイヤリティーは3年間だけ保管され、その後に請求がなければ大手パブリッシャーに配分されることになる。請求のないこれらのロイヤリティーは、約程済みの市場占有率のパーセンテージをもとに分配されることになる。

つまり、Sony/ATVミュージック・パブリッシング、EMIミュージックパブリッシング、ワーナー・チャペル・ミュージック、そしてユニバーサル・ミュージック・パブリッシング・グループといった大手パブリッシャーは、契約をしていない作品に対して数億万ドルにものぼる未請求のロイヤリティーを徴収できる可能性がある。

ロイヤリティー聴衆の専門家による試算によれば、25-35%が政府によるメカニカル・ライセンシング・コレクション/Mechanical Licensing Collection(MLC)が支払われ、完全に未請求ロイヤリティーとなる。

MLCはMMAが法制化された後、メカニカル・ロイヤリティーを徴収するために設立される政府機関で、SoundExchange(注:著作権料の徴集・分配のために政府が2003年に設立した非営利団体)とともに運営することになるだろう。

それに従って、MMAによって結成されるMLCの委員会は、大きな利益の衝突により大失敗を引き起こす可能性があるという内部関係者の指摘もある。

具体的にはMLCを管轄する委員会のメンバーは、未請求の多額のロイヤリティーの利益を受ける人物と基本的に同一人物である。結果、彼らの利益は当然のことながら、小規模の著作権保持者やロイヤリティー未請求のアーティストへの喚起と反するままになる。

アーティスト擁護の組織であるコンテント・クリエーターズ連合(CCC)は、火曜日の上院司法委員会に対してこの利益の対立に関する問題を提唱した。「法案における未請求のロイヤリティーの処理は、ロイヤリティーの受給者にとってこれを抑制する利益の対立が内蔵している」と書面で指摘した。

「これは新人やニッチなアーティスト、無名のアーティストが利益を享受させないように導く可能性があり、業界が求める多様性、クリエイティビティ、幅広さを保持するどころか悪化させるだけの完全に相反するアプローチである」と書かれている。

上院委員会の中心人物であるダイアン・ファインステイン議員(カリフォルニア州選出、民主党)はMMAに関して、法案の大幅の部分を支持しているが、3年案に関して深刻な懸念を示している。

「この法案はアーティストが見つからない場合の未請求のロイヤリティーに関してどうするべきか述べている。しかし未請求から3年後に、このロイヤリティーは50-50に分けられてパブリッシャーと他のソングライターたちに分配される。このソングライターはロイヤリティーの権利を有する人物とは違う人物である。資産によれば、この未請求のロイヤリティーは最大で数億ドルにも登るとされ、つまりこの問題は重要でありじっくりと再検討が必要とされる」と語った。

またSportifyのようなストリーミングサービスは、ロイヤリティーの情報を楽曲の掲載前に要求することを進める必要があると複数の批評家が求めている。

これによって、非常に需要が多くなってきている無名や未契約のアーティストに対して特に、未請求のロイヤリティーの発生を劇的に減少させることができ、さらにLoudrの買収によってSportifyはメカニカル・パブリッシング・ロイヤリティーと支払いを明確によりよくさせることができるだろう。しかし現時点でSportifyはLoudrに対しての扱いをどうしたいかは不明である。

長年、パンドラはインタラクティブではない楽曲のロイヤリティー数百万ドルをSoundExchangeに支払ってきた。残念ながらこの支払いの莫大なパーセンテージは、書作権保持者に対して適切な金額では決してなかったことが明らかになっている。パンドラは直接レーベルと個々に交渉してロイヤリティーの契約をしたが、この結果アーティストへの支払いは劇的に減少してしまうことになった。

SoundExchangeはMLCに対して実権を握ると目されていて、マッチしないロイヤリティーが増え数百万ドルを含む再現が懸念されている。さらに悪いことには非営利団体のSoundExchangeで高額な給料が明るみになっていて、IRS(米税務局)によればのCEOであるマイケル・フッぺ(Michael Huppe )氏は100万ドル以上の年収を得ている。


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※この記事は「DIGITAL MUSIC NEWS」の記事を翻訳したものです


 

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