LILI LIMIT、自主企画「ANAGRAM」オフィシャルライブレポート

2018/02/14 (水) - 17:49
LILI LIMIT 自主企画「ANAGRAM」 2月9日 渋谷club asia photo by:木場ヨシヒト

photo by:木場ヨシヒト

LILI LIMITが2月9日渋谷club asiaで行った自主企画「ANAGRAM」のライブレポートが公開された。以下、ライブレポート。

新作EP『LIB EP』をリリースしたばかりのLILI LIMITが、2月9日、ゲストに向井太一、LUCKY TAPESを迎えて、渋谷club asiaにて自主企画ライブ『ANAGRAM』を行なった。

スタート時から超満員のフロア。DJには“FASHION&MUSIC”をコンセプトとする渋谷のアパレル・ショップBOY のTOMMYを迎え、FLOOR ACTでは若干20歳の注目トラックメーカーpavilion xoolがエッジーなサウンド・ワークで盛り上げていく。

1番手は、R&Bテイスト溢れる「FLY」での伸びやかな歌声が魅力の向井太一。人柄が伝わる柔らかなMCとともに、グッドソング「空」によってホットにステージを盛り上げていく。続けて、人気チューン「レイディ・ブルース」からスタートしたLUCKY TAPES。ホーン隊が心地いい、芳醇なる生音サウンドに酔いしれるオーディエンス。ラスト・ナンバー「シェリー」が流れる頃には、フロア中の視線と気持ちを鷲掴みにしていた。

トリを務めたLILI LIMITは、新作EP『LIB EP』のリリースで、バンド・アイデンティティを塗り替え第2章へとコマを進めていた。海外R&Bやダンス・ミュージックと同時代的にシンクロする、ひんやりとしたテックな音像。問いかけるように言葉を紡いでいくポップかつエクスペリメンタルな魅力。そんな革新性を、いかにバンド・スタイルで表現するかに注目していたターニング・ポイントとなるステージ。

まず、空白のステージにビートが鼓動。徐々に、メンバーが集いレイヤーが重なり合い完成していく1曲目「FEEL IT」での硬質な音像の深み。魂の解放(Liberation)、自由(Liberal)を感じさせる新機軸となるキラーチューンが解き放つサウンド・インパクト。フロントマン牧野純平(Vo)はMCで「"変わる"というのは責任を持つということ。人生は前に進んでいくしかない」と真摯に語った。

ライブではより骨太なハンマー・ビートを繰り広げていく丸谷誠治(Dr)と黒瀬莉世(Ba)によるファットなうねりをみせるリズム・ワークの強靭さ。土器大洋(Gt)と志水美日(Key)によってデザインされていく幾何学的かつ破壊衝動を誘発するアグレッシブな音響ワールド。トライバルなビートがフロアを揺らす「ENCLOSE」のアタック感の強いインパクトなど、音数は極限にまで研ぎ澄まされ、先の読めない多面構造なサウンド展開にドキドキが止まらない。

バンドの決意表明とも受け取れる、変化のワケを言葉で語りかける「COLORS」でのヴォーカリゼーションの妙。“生きづらさは息をしている証拠 生活とは君であるという証拠”、“誰かが決めた誰かの指針 誰かが決めた基準でしかないでしょう”、“重ねた時代ありふれた言葉 気にしてたら何も産まれはしない”という強烈なるパンチライン。

続いて、「Observe」や「Girls like Chagall」など、お馴染みのナンバーを解体しリアルタイムにアップデートしていくサウンドの美しさ。さらに、アッパー・チューン「GET UP」で盛り上がるオーディエンスの笑顔。人気曲「A Short Film」での、土器ソロパートにおけるギター・カッティングでの一撃必殺なインパクトも最高だった。ラスト・ナンバー「ERAION」では、まるで長旅からの帰還を祝うかのごとく、ハンズアップして盛り上がるフロア。その後、鳴り止まない拍手のなか、アンコールは潔くも無し。TOMMYによる、The xx「On Hold(Jamie xx Remix)」をスピンするDJプレイでライブは終了を告げた。

音楽集団LILI LIMITが到達した、新しい景色を見させてくれたサウンド&ヴィジョン。音楽はまだまだ進化することができる。そんな革新性溢れるライブ・エンタテインメントに、次世代アートを感じたエポック・メイキングな夜だった。

written by:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

LILI LIMIT「ANAGRAM」2月9日 渋谷club asia セットリスト
〈LILI LIMIT〉
1 FEEL IT
2 Observe
3 ENCLOSE
4 Girls like Chagall
5 COLORS
6 GET UP
7 A Short Film
8 ERAION

〈LUCKY TAPES〉
1 レイディ・ブルース
2 体温
3 Balance
4 Gravity
5 New Song
6 シェリー

〈向井太一〉
1 FREER
2 SLOW DOWN
3 君にキスして
4 YELLOW
5 GREAT YARD
6 FLY
7 空