SOIL&"PIMP"SESSIONS が野田洋次郎と初競演、ワンマン「晩秋のハリネズミ」をリポート

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2017/11/17 (金) - 10:41

SOIL&"PIMP"SESSIONS が野田洋次郎と初競演、ワンマン「晩秋のハリネズミ」をリポート

SOIL&"PIMP"SESSIONSがドラマ「ハロー張りネズミ」の主題歌として、野田洋次郎(RADWIMPS)をフィーチャリングボーカリストに迎えてリリースしたシングル「ユメマカセ」、そのサウンドトラック盤「真夜中のハリネズミ Music from and inspired by ハロー張りネズミ」のリリースに際して行った、東阪ワンマンライブ「晩秋のハリネズミ」、その東京公演をリポートする。

ライブレポート
2017年11月15日
SOIL&"PIMP"SESSIONS「晩秋のハリネズミ」
東京・マイナビBLITZ赤坂

SOIL&"PIMP"SESSIONSの東阪ワンマンライブ「晩秋のハリネズミ」の東京公演が11月15日、マイナビBLITZ赤坂にて開催された。

「晩秋のハリネズミ」は公演タイトルの通り、SOIL&"PIMP"SESSIONSが音楽を担当したテレビドラマ「ハロー張りネズミ」のサウンドトラック作品「真夜中のハリネズミ Music from and inspired by ハロー張りネズミ」のリリースを記念して行われたもの。

昨年10月の元晴(Sax)脱退後の「充電期間」を経て、今年4月にワンマンライブ「PUMP IT UP」で活動を再開してから約半年。丈青(Pf)の右手の怪我も乗り越え、8月の東名阪JAZZ箱ツアー「Summer Action」も大成功、満を持してこの日のワンマンライブに臨んだメンバーのモードは、バンドの「その先」への確信と期待感に満ちていた。

社長(Agitator)/タブゾンビ(Tp)/丈青(Pf)/秋田ゴールドマン(B)/みどりん(Dr)の5人に加え、サポートメンバーとして「PUMP IT UP」にも登場した栗原健(Mountain Mocha Kilimanjaro)を擁した6人編成でのステージ。

「Magnetic」「ハロー張りネズミのテーマ」といった「真夜中のハリネズミ」の楽曲群をライブの軸に据えつつも、「閃く刃」「SUMMER GODDESS」といった歴代キラーナンバーも惜しみなく披露。ソイルの真骨頂と呼ぶべき熱演を繰り広げていく。

「PUMP IT UP」では、「社長&みどりんのEDMセッション」「みどりん以外5人がサンプラー機材で演奏」といった異色な場面が展開されていたが、この日のライブではその装いは一転。彼ら自身が標榜する「デスジャズ」の核心を改めて5人+1人で鳴らすことで、バンドの「原点」と「現在形」を同時に提示するような、意欲的な内容だった。

この日の演奏の大きな特徴は、タブゾンビ&栗原によるホーンセクションのコンビネーション進化によって、バンド全体のアンサンブルが伸びやかなスケール感を獲得していたこと。時にユニゾンで眩い旋律を奏で、時に絶妙のハモりを聴かせ、時にサックス×トランペットでハイエナジーなインプロビゼーションのバトルに突入する――そんなスリリングな場面の数々が、バンドのプレイによりいっそう鮮烈な彩りを与えていた。

そして、もうひとつの特徴は、社長のキーボードパートが格段に増えていたことだ。

丈青が華麗なピアノソロを展開する一方で、社長が複数の鍵盤と音色を操る。また、「Blow Up」で丈青がショルダーキーボードでギター風の音色を奏でながら舞台前方に飛び出してきた時には、社長がピアノパートを担当してみせた。

「社長、鍵盤すごく上手くなってますよ。入院してたんで、彼が弾いてくれて」(丈青)、「まあねえ、15年もこの人の鍵盤をずっと横で聞いてたから、そりゃあいろいろ盗めましたよ!(笑)」(社長)というMCのやりとりからも、「まさか、ああいう形でテレビに出る(「ハロー張りネズミ」最終回に登場)とは思いませんでした。人生、何があるかわかんないもんね!」と意気揚々と語る社長の表情からも、度重なる困難も糧に変えて進歩を遂げたソイルの「今」がリアルに窺えた。

中盤のメドレーで満場のコール&レスポンスを巻き起こし、再び「真夜中のハリネズミ」から「Soilent Remedy」を演奏した後、「Special guest for tonight!!」という社長のコールとともに舞台に登場したのは、この日のゲストアーティスト:野田洋次郎(RADWIMPS)。ソイル&野田で披露する楽曲はもちろん、コラボシングル曲「ユメマカセ」。軽やかなステップを踏みながら、メロディと言葉で独自のリズムを刻んでみせる野田の歌が、妖艶なジャズ〜ソウルの音像と絡み合って、会場の多幸感を刻一刻と高めていた。

曲が終わった後には、野田&社長のトークにタブゾンビが加わり、
タブゾンビ「(ドラマの)撮影が終わった後、社長が野田くんみたいなパンツを履き始めて……」
野田「マジっすか? Inspiredっすか? 嬉しいっす、それ」
タブゾンビ「で、瑛太くんみたいなシャツ着てた」
野田「完全にマッシュアップですね!」
といった裏話でBLITZを爆笑で包んでいく。そして、「こういう素晴らしい機会を得て、最高に幸せでした! 野田洋次郎に大きな拍手を!」という社長のコールが、割れんばかりの拍手喝采を呼び起こしていった。

熱気あふれる会場は、「ルパンのテーマ」からさらなるクライマックスへと昇り詰めていく。ミラーボールきらめく中、「Fantastic Planet」では狂騒の指揮者と化した社長がオーディエンスを♪ラララ〜ラララ〜と圧巻のシンガロングへ導き、見渡す限りのハンドウェーブでフロアを埋め尽くしてみせる。

「SATSURIKUニューウェイブ」の最後、社長が突き上げた「We call it DEATH JAZZ!!」の絶叫は、今なお沸き立つソイルの衝動と揺るぎないアイデンティティを雄弁に物語っていた。

「今、SOIL&"PIMP"SESSIONSは、次の作品の制作に取り掛かっております。それほど遠くない未来に、何かしら面白い発表ができると思っています。いい曲が生まれてます! どうぞお楽しみに」
アンコールの最後、そんな言葉でソイルの展望を語る社長に応えて、熱い拍手が広がっていた。

12月8日には「晩秋のハリネズミ」大阪公演の開催を予定しているSOIL&"PIMP"SESSIONS。同公演にはゲストアーティストとして、長岡亮介(ペトロールズ)の出演が発表されている。

文:高橋 智樹
撮影:後藤倫人