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●個人的な意見ですが、一番音楽が気になってしまうのは美容院ですね。おしゃれのためにお客さんは来るわけですから、音楽のセンスが悪いとちょっと・・・。一流のお店は音楽にも気を遣っているように感じます。
持田:この間、有線の方にお会いしたときにも言ったんですが、今は音楽のジャンルで選曲してますが、そうではなくて業務形態のジャンルで選曲チャネルを作ったらどうかと思うんです。例えば、「カフェ・アプレミディ」のチャネルができましたが、「カフェ」というチャネルとか、「バー」や「ラーメン屋」といった業態に向けたチャネルとか、先ほど話に出た「美容院」とかね。有線って利用者のほとんどが業務用のために入れている割に、業態に合わせたチャネル設定になっていないのがそもそもナンセンスだと思うんですよ。
●例えば、今後、持田さん選曲のコンピレーションを出す予定などはあるんですか?
持田:そういうご提案を頂ければと思っていますけどね。この間、レコード会社の人と「ラーメン ジャズ」と銘打って、固有の店舗ごとに発売したら面白いんじゃないか、なんて冗談半分で話していたんですが、ただ「ラーメン屋さんでかかるジャズを選びました」では、皆さんの思っているラーメン屋さんのイメージが多岐に及んでいますから、リアリティがないと思うんです。「オテル・コスト」も「カフェ・アプレミディ」も実際の店舗があるがゆえに説得力がものすごくあるんですね。だから「ラーメンジャズ」というコンピレーションを作ったとしても、どこかモデル店舗を選んで、その店舗を想定して選曲しないととてもじゃないけど選曲できないと思いますね。
●この本でもっとも読者に伝えたいことは何ですか?
持田:インテリアや照明、観葉植物、絵画に何十万円もお金を払うんだったら、オーディオ機器とCDなんてそう高くはないんですから、もう少し音楽に気を遣ったらということです。例えば、電球が切れたら電球を交換する、あるいはお花が枯れたらお花を替えるのと同じように最初からオーディオ機器とCDというのは設備機器なんだと考えて、電球と同じ感覚でCDを買えばいいのに、設備ではなくオプション投資という考え方をしてしまっているので、コストカットをするときに一番最初に音楽が切られてしまうんです。マンションなんかも同じです。共有部分で有線を流していたとしても、経費節減で切られてしまう。植え込みの木はあってもなくても生活には特に支障がないですけど、植木屋さんを入れて手入れをするじゃないですか。だけど有線(音楽)はなぜ最初に切るんですかということです。
●あまりにも音楽に対して無神経というか、扱いが雑すぎると。
持田:逆に言うと、音楽が必需品なんだと考えればいいんです。照明、インテリア、観葉植物と音楽は基本的に同じなんだと。「あったってなくたって死なないでしょう?」という議論になったら、みんないらないんですから(笑)。ぶっちゃけて言っちゃうと、ラジオとかテレビもなくたって死なないです。でも、そういったものを面白がることは文化のために重要な要素ですし、音楽を伝えるためにはラジオが必要ですし、新しいエンターテイメントを伝えるためにはテレビも必要だと思います。
●持田さんはJ-waveのプロデューサーとしてご活躍ですが、この本に書かれたような考え方はラジオプログラムを作る上で生きていますか?
持田:逆にJ-waveのラジオはそういう風にできていたので、それゆえに僕に合っていたんですね。AMのラジオ番組はどちらかというと出ているタレントやミュージシャンありきのコンテンツ勝負になっているんですが、J-waveの場合は「この時間帯にはこのグルーヴでこんな話題を提供して・・・」みたいに空間演出のような番組作りをするので、BGMの考え方に近いです。ただ、レストランはどんなに長くても2〜3時間しかお客さんはいませんから出て行けばそれで終わりますが、ラジオはほぼ毎日聴いていますから、飽きさせないという演出が必要なんですよね。そういう意味で言うとBGMとも微妙に違うかもしれません。
あと、J-waveが他のFM局と較べて違うと思うのは、しゃべりの後ろにかけているBGMの選び方のセンスが圧倒的にいいと思います。J-waveも含めてどのラジオ局もそうですが、オンエアーする曲そのものの選曲に関しては色々言う割に、しゃべりの後ろでかけているBGMに関しては意外と無頓着なんです。ただ、J-waveの場合はディレクターの中にも音楽好きな人が多いので、必然的におしゃれな選曲になっているとも言えますね。
●最後に「BGMコンサルタント」として今後の展望をお聞かせ下さい。
持田:店舗のBGMでお悩みの方は是非相談して欲しいですし、あと、できることならせっかくJ-waveにいるので、J-waveという会社として店舗のBGMを引き受けるみたいな形ができたらいいなと思っています。
●これからはお店のBGMにより一層耳をすませてみたいと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。
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