| Musicman-NET TOP > SPECIAL REPORT & INTERVIEW > 「DirectorsGear」サービス開始記念 座談会 |
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2007年11月15日
エフ・ビー・コミュニケーションズ(株)にて |

<出席者>
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- 1 - 山浦:僕は70年代にレコード会社にいまして、洋楽のプロモーションをするために放送局へ毎日行って宣伝するというのが仕事でした。忙しく仕事をしている放送局のディレクターに「曲をかけて下さい」とお願いして、非常に迷惑がられたり(笑)、仲良くなったりしながらやっておりました。 今回、DGのお話を聞いたときに、これが浸透して放送局の人とレコード会社の人が使っていったら素晴らしく有効なんじゃないかと感じました。プロモーションをした次の日に放送局へ行ってゴミ箱を覗くと、配ったテスト盤が捨てられているのもよく見ましたし(笑)、そのたびに「無駄なことしてたんだな」と思っていたので、DGが機能すれば、すごくスッキリとしたプロモーションがやれるんじゃないかと思います。 今回の座談会では現状の音楽プロモーションとDGも含めた今後の音楽プロモーションについて話していきたいと思い、関係する方々に集まっていただいた次第です。まず、(株)フォレスト 専務取締役 エグゼクティブ・プロデューサー 常行邦夫さんに長く放送局にいらっしゃった立場から、どんな印象でレコード会社のプロモーションを受け止めていたのかお伺いしたいのですが。
常行:僕は放送局に30年以上いたんですが、自分で音資料・紙資料を集めようと思ったら、大変なエネルギーと時間と金が必要です。ところが放送局の中の制作部というセクションにいるだけで、そのディレクターの力量は別にして、黙っていても最新の情報が集まってきます。だから、プロモーションを受けるときには本当に感謝して受けなさいと、現場のディレクターに口酸っぱく言い続けてきたんですね。ただ、それが放送局全体として浸透しているかと言ったら、そんなことはなくて、僕もかつて先輩ディレクターの「えっ!?」と思うような部分をたくさん見てきました(笑)。話が飛んでしまいますが、今、私はラジオの制作会社にいまして、最近までZIP-FMにいたディレクターを東京に転勤させたんですね。で、東京で半年間デジタルラジオとインターネットラジオの番組ディレクターを任せていました。この秋からFMの番組を担当してもらうことにしたのですが、彼が「すいません。ルートが無くて新譜が集まりません」と僕に泣きついてきたんです。つまり、デジタルラジオもインターネットラジオもまだ認知度が低くプロモーションを受けられないので、新譜がなかなか集まらないんですね。ZIP-FMの頃はそこにいるだけで情報が集まってきていたのが、東京に来て半年間も経つと全くパイプがなくなってしまったと。 音楽業界と媒体サイドは音楽という同じ船に乗った仲間だとよく言われますが、このDGを双方がうまく作り上げていけばディレクターにとっても便利ですし、メーカーにとっても効率のいいプロモーションができるチャンスになるんじゃないかと思って、陰ながらこのDGを応援させていただいているんです(笑)。このDGが上手く機能すれば、先ほど例に出したディレクターのパイプも途切れずに済むと思うんですよね。 古賀:すごくありがたいことにFM802はエリアプロモーターや東京からの方々も含めて、色々な情報を持ってきてくださるんです。ただ、情報を持ってきてもらえる放送局の制作だからかもしれませんが、ここ10年くらい、制作の人たちは与えられた情報の処理しかできないんですよ。見事なくらいにプロモーションされないものに関しては一切かからない(笑)。放送局としてそれはどうなのかなと感じます。 開局してしばらくの頃は関西でうちみたいに制作を独立した形でやっている局はほとんどなかったので、自分たちを売り込まなくてはいけなかったですし、自分たちの存在価値を出すために、当然プロモーターの人たちにアピールすることもあったんですが、それ以外にレコード屋さんへ行って新しい音楽を輸入盤で見つけてきて、実際にかけてみて「これだけリアクションがありました」という情報をレコード会社の人に戻したり、「なんでこれ国内盤で出さないんですか?」と提案してみたりしょっちゅうしていたんですよ。でも、今、月に一回レコード屋に行く奴なんて、半分もいないんじゃないでしょうか。行っている余裕もないしですしね。 そこでもう一回戻って考えると、ある意味「これさえ聴いておけばなんとかなるぞ」と情報を与えていったプロモーターさんたちが偉いと思うんですよ(笑)。そこまでいくと情報を届けるプロモーターという「人間」の力は非常に大きいと思いますし、逆にこのDGを経由して情報がダイレクトに行き交うことによって情報が均一化してしまい、その中だけで物事を判断すると、今よりももっと制作の人たちの頭が固くなるんじゃないかなとも危惧しています。それと情報の処理だけに関わって、「それをどう取り上げた方がいいか?」という自分の価値判断が薄くなってしまうのではないかという気もするんです。 常行:制作会社の立場からしても、今、古賀さんが話されたことは、これからラジオ業界がどうやって音楽業界と動いていくのかということに関する大きなテーマだと思うんです。恥ずかしい話ですが、うちのある超多忙なディレクターに「今年に入って映画何本観た?」と聴くと「観てません」、「ライブは何本?」「仕事以外は3本です」、「ベストセラーの小説は読んだ?」「読んでません」・・・と極端に言えばパソコンの前だけで仕事をしているんですよ。多くのラジオディレクターが似たり寄ったりではないでしょうか。それは何故かというと、おおむねのラジオやテレビの下請け会社は悲惨な状況で(笑)、時間的な余裕もなく、安い制作費で何本も番組を抱えないと会社が回っていかないんですね。 そういう悲惨な状況に今置かれている中で、ネットから得る情報やプロモーターさんから頂く音をそのまま鵜呑みにし、何とか形にしているみたいなことで本当にいいのだろうかと考えると、やはり問題があると思うんです。そこでこのDGというツールを使って、送り手側と受け手側の双方が忙しい中でも上手くコミュニケーションがはかれるように機能していけばという期待があるんです。当然、番組のクオリティアップにも繋がると思うんですよね。 山田:ZIP-FMもディレクター一人あたりの担当番組も増え、外にも行けないという状況になっています。その中でDGの実験の時にディレクターに「DGはエリアプロモーターが持ってくる以外の音が探せる玉手箱みたいなものだから、ここから新しいものが生まれるかもしれないよ」と紹介したんです。そもそも、音楽を聴く喜びを知り、それを他の人にも伝えたいからみんな番組のディレクターになったと思うんです。でも、いつの間にか局の言う通りに仕事をミスなくやらなくてはならないという風な気持ちになってしまうと楽しくないですよね(笑)。我々もFM802さんも制作会社の方に番組作りをお願いしていますので、なるべく制作会社の方に多くの選択肢を用意したいと考えています。そこでDGは多くの情報の中から取捨選択ができる機会に繋がるものだと思いました。
-2007.11.30掲載
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