Musicman-NET TOPSPECIAL REPORT & INTERVIEW 「DirectorsGear」サービス開始記念 座談会

音楽プロモーションの未来へ向けて〜「DirectorsGear」サービス開始記念 座談会


- 2 -



山浦:メーカー側のご意見も伺いたいんですが、現状のラジオプロモーションに対してご意見などお伺いできればと思います。


森 知樹 氏 森:今、私が所属しておりますレコード会社P-Vineは地方のブランチが一切なくて、東京だけなんです。しかも、メジャーさんとは違って制作もやり宣伝もやります。宣伝部自体はまた会社に独立して有るのですが、なかなか地方局のディレクターさん達までと考えますとフォローしきれていないなという思いは強くあります。またうちは自社流通のP-Vine、AVEXマーケティングさんに配給をお願いしているAlmond Eyes、ここ はクレイジーケンバンドやRIKIが所属していまして、他にビクターさんに配給をお願いしてるP-Vine Special、BMGさんに配給をお願いしているP-Vine Non Stopと様々なレーベルを運営しているのですが、全体の99%は洋楽で、残りの1%でクレイジーケンバンドといった邦楽を扱っているのですが・・・。実際、邦楽と言うよりは洋楽になりますが、正直なところ予算も結構限られておりまして(笑)、サンプル盤も枚数が限られています。そんな中でうちの洋楽のアイテムをメジャーさんと同じ土俵に上げてもらえるDGは非常にありがたいシステムだと思いました。


菅原隆文 氏 菅原:LD&KもP-Vineさんと同様にインディーズとしてやらせていただいておりまして、うちはブランチが大阪と沖縄にあるんですが、とはいえそこまで細かい宣伝がちゃんとできているのかと言われると疑問です。うちはレーベルの人間で約30人いて、A&Rが5人、プロモーターといえる人間が本社に2人、大阪に1人という規模でやっています。そうなってくるとメディアに対してどこに重点を置いてやっていくかというと自ずと決まってくるんですが、やはりFM局をメインに動かなくてはいけない楽曲が多いものですから、東京のステーションもそうなんですが、特にFM802さん、ZIP-FMさんを始め地方の力のあるステーションをプロモーションするようにしています。

 僕は名古屋出身なので(笑)、特にZIP-FMさんは年に4、5回は出張させていただいて、一生懸命プロモーションするんですが、それぞれの番組のディレクターさんたちに一日ではなかなかお会いできませんから、そこにジレンマがありました。また、うちはサンプル盤を1〜2,000枚作っているんですが、実際にその中で500枚しか売れないアーティストもいますので、全然サンプルの方が多いなということが結構あります(笑)。そのサンプル盤を毎月毎月送っているんですが、その製造費と物流コストも馬鹿になりませんから、DGが使えたら非常に効率的になるなと思いまして、実験に参加しましたが、当時は上手く機能していない部分もありました。

 それは現場の人間が人ではなくてWebと対しているので、プロモーションをしている感じがあまりしないから止めちゃうのかなとは思うんですね。何でそうなるのかと言えば、DG上にまだ情報が完全に集まっていないからだと思うんです。情報がもっと多くDGに寄せられるようになれば、お互いいい関係が築けるのではと考えています。他のレーベルさんがDGに対してどういう考えをお持ちか分かりませんが、LD&Kとしては今後どんどんトライアルしていきたいと思っていますし、場としては素晴らしいんじゃないかなと思います。とはいえ「人と人の繋がり」も非常に重要だと思っていますので、年に一回は全ステーションを回って、関係性を築くことも続けていくと思います。


真下:実験段階では繋がりの部分が薄かったので再考しまして、今回リリースしたバージョンではそのあたりをサポートする仕組みがだいぶ改良されたと思っています。また、11月26日のサービス開始時には、利用者も実験の時とは違って、放送だけでなくいろいろなメディアの担当の方にお使い頂くことで調整してまして、以前にも増して情報が集まってきます。


後藤:今、菅原が言ったことと重複してしまいますが、うちの場合、メジャーメーカーさんと違って各地にブランチがないので、やはり一番最後は人対人だと思っています。うちは組織力がないですし、政治力もないですし(笑)、本当に「いい音」と「信頼関係」でしか勝負できないんですね。


山浦:後藤さんは実際に全国を回られているわけですか?


後藤:そうですね。全国を回る中で信頼できるディレクターさんと飲んで話をすると、皆さん「会ってもいないプロモーターが電話一本で『ブッキングして』と連絡してくるのは、正直ふざけるなと思う」と仰るんですね。僕も電話でブッキングをすることもあるんですが、必ず1回でもディレクターさんにお会いして、アーティストを売り込む前に自分自身を分かってもらった上でプロモーションしているつもりではあるんですね。なので、NETだとそういった人間関係が見えない部分があるので、そこは仕方がないのか、改善する余地があるのか・・・難しい部分だと思います。


真下:DGだけでプロモーションが成立するわけでは決してないんですね。実験の結論として、対面プロモーションは無くならないだろうし、発送等の手間が省けるぶんプロモーターさんはコミュニケーションなどに時間を有効に使えるようになります。


屋代:むしろDGは人間関係を補うために使うと非常に有用なのかもしれませんね。


常行:そうですね。DG上にはプロモーターさんのプロフィールも出るので、逆に局側のディレクターもDGを利用して、「僕はこういうディレクターです」とアピールするような場になるといいんじゃないかなと思いますね。


« 1 2 3 4 5 »
Page 2/5


-2007.11.30掲載


メール
Musicman-NET問い合わせ