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![]() −−そして、もう一つ日本ビクターとの共同技術である音楽配信用の圧縮音源の高音質化という取り組み、「netK2」についても興味をひかれたのですが。 T:もともとK2というのは、1987年に“デジタルは何回コピーしても音が変わらない”という定説にエンジニアである私たちが疑問を感じていた時に、日本ビクターの技術者の中にその疑問に共感してくれた方がいて。そして、デジタル独特のノイズであるジッター/リップルを排除し音楽成分だけを伝送し、音を劣化させない技術「K2インターフェース」というのを確立しました。 その後、1993年に16ビットのCDに20ビット相当の音楽信号を記録する技術「20bit K2スーパーコーディング」によって、CDソフトの高音質化を実現、ビクターエンタテインメントからも20bitジャズシリーズなどをリリースしました。 −−デジタルの音へのこだわりをK2で構築したんですね。 T:そうですね。K2HDコーディング※2を含めてハイエンドのスペックをK2技術で構築してきました。
−−しかし、世の中は、圧縮音源を配信で提供するといった音楽配信ビジネスが活性化して、高音質とは正反対の流れになってきているという。 T:そうなんです。アーティストがこだわって作り、エンジニアが細部まで作り込んだものがおおむね1/10〜1/30位に圧縮され、大量に世の中に出回っているという状況で、お客様の中には、特に若い世代の方々には、なんとなくそれでいいんだという風潮が生まれていました。 −−確かに音楽配信は、音質という面での不安はありますね。 T:その通りですね。デジタルの進歩で、利便性を追求し音楽を楽しめるようになったのは、我々にとってはありがたいことでもあるのですが。やはり音質という面では置いていかれているのではないかと思ったんですよ。そして、それを根本的に見直さなければならないという強い想いがありました。
−−それが「netK2」技術の開発につながるわけですね。T:そうですね。“圧縮してもマスターテープの音をできるかぎり忠実に届けることができないか”という「原音探究」というテーマをもって、開発されたのが、K2技術を基本とした圧縮音源の高音質化技術である「netK2」なんです。 −−具体的には、どういった方法で高音質化するんですか。 T:「netK2」には、3つの処理技術があって、一つ目は、配信圧縮する前の音源をCD以上に高音質化させ、その音質情報量を保った状態で WAVを作る【K2プリ処理技術】 です。あらかじめ音源を高音質化することにより、圧縮されても音の削げ感が感じられなくなるんです。次に、K2インターフェースの概念を活かした伝送系での音質変化要因の除去ですね。しかし、これは配信側との兼ね合いもありまして、現在はまだ実施されていません。そして、最後は、オーディオ機器・ポータブルオーディオ機器で再生する際にCD、DVDフォーマット並みに音を拡張する高音質化処理(ポスト処理技術)となります。 この3つのポイント【K2プリ処理】、【K2インターフェース】、【K2ポスト処理】からなるのが「netK2」技術です。
−−「netK2」は、どんな圧縮形式にも対応できるのですか。T:そうです。ACC、ATRACなどすべての音源圧縮形式に対応できます。 −−それは、魅力的ですね。先日、実際にプリ処理・ポスト処理をした音源と未処理音源を比べて聞かせていただいきましたが、処理されたものは、ハッとするほど音が活き活きして、生音っぽい質感になっていましたよね。通常の圧縮音源との音質の差は歴然でした。この違いを知ってしまうと、早く配信音源すべてにこのプリ処理がなされればいいのに、なんて思ってしまうのですが。 T:ありがとうございます。実際に、ビクターエンタテインメントの配信用音源については、10月リリース分よりすでにプリ処理を施したものを自社スタジオにてエンコードしている音源から提供しています。今後、旧譜についても順次対応していく予定となっています。 −−今後、netK2技術の外部提供ということはお考えですか。 T:もちろん、この技術の【K2プリ処理】の部分は、外部に開放する方針です。先日開催されたA&Vフェスタ2005 [2005.9.21-24] 、CEATEC JAPAN 2005 [2005.10.4-8] でも、日本ビクターのブースでプレゼンテーションさせていただいたのですが、非常に反響が大きかったですね。現在は、レコードメーカー各社、オーサリング会社等に技術や音質の違いを紹介し、徐々に話し合いをすすめている状況です。 −−ということは、現在出回っている配信音源がより良い音になる日も近いですね。 T:そうですね、問い合わせも沢山いただいていますし、netK2が業界の基準になってくるといいですね。 |
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