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--ヨーロッパにはMIDEMがありますよね? SXSWはそれと対抗するようなカンファレンスになってきたということですか?
麻田:僕の知っている人の中でも、最近はMIDEMに行かない人が増えてきましたよね。 --SXSWのパワーがMIDEMを越えてしまった? 麻田:音楽業界のダイナミズムは若くて新しい才能の出現ですから、アーティストの演奏を直に見て直に話ができる「場」がSXSWにあるということが決定的な違いです。これは相当にA&Rオリエンテッドなことで音楽ビジネスの原点を意識させられますよ。若さは明らかにSXSWの方がありますし、アメリカであるという部分もありますが、MIDEMよりもドイツで毎年やっているPOPKOMMに近いですね。最近MIDEMは焦っていてライブをやり出したりとか、段々SXSWに近くなっていますね。そもそもMIDEMというのは年に一回集まってお話をしましょうという場だったんですが、今はメールでやり取りが出来てしまうので、1年に1回会って情報交換をする必要がなくなってしまったんですよ。 --確かにMIDEMはライブが中心のカンファレンスではなかったですよね。 麻田:MIDEMのメインは音楽出版ですからね。 --対してSXSWはライブから始まったわけですね。 麻田:そうですね。SXSWは全米やヨーロッパから音楽業界の人が来ますから、「BUZZ」と言ってそこで噂を作ることが重要なファクターなんですね。あとここ何年かで増えてきたんですが、トム・ウエイツ、パティ・スミスといったような大物アーティストがSXSWの前にアルバムを出して、SXSWをプロモーションツールとして使うわけです。SXSWは全米中から評論家やレコード会社、放送関係がみんな集まりますからすごく便利なんですね。トム・ウエイツはエピタフから最初にアルバムを出したとき、SXSWでしかライブをやっていないんですよ(笑)。つまりSXSWでライブをやることによって、全て済んでしまう。 --メディアが集中しているんですからね。 麻田:だからSXSWでやるのが一番効率がいいんですね。最近はそのパターンが多くなっています。 --そういう大物アーティストが出演するのは問題にならないんですか? 麻田:問題はないでしょう。お客さん達も彼らをタダで見られるわけですし、SXSW自体も活気づきますしね。それに対応するように野外ステージを作り始めたんですよ。 --それは盛り上がりますね。 麻田:盛り上がっていますよ。最初にSXSWをプロモーションに使うことを考えた人は、上手いこと考えたなと思いますね。全米中の音楽関係者が集まっているところでライブをやれば、一番効率がいいですからね。だから色々な意味でSXSWの使い方が変わってきたっていう感じもしますね。 --年々規模が大きくなっているんですか? 渡辺:9.11以降少し鈍ったんですが、去年からまた大きくなりましたね。今年は参加者が2万人突破だそうですからね。 麻田:10年前で7000人ですから3倍になっているんですね。 渡辺:オースティンという街はビジネスをするのに適したアメリカの都市ランキングで、毎年トップ3に入る場所なんです。全米ラジオのネットワークと最大手プロモータ会社のSFXを買収したクリア・チャンネルの本社はオースティンにあります。 麻田:オースティンはホテルもどんどん建っているし、ますますコンベンションのやりやすい街になっています。SXSWも最初は音楽だけだったんですが、5、6年前からインタラクティブと映画の3つになったんですよ。 --インタラクティブというとIT系ですか? 麻田:IT系です。実はIT系の企業がテキサスには多いんです。テキサスインストゥルメント社とかDellもそうですね。だからこのあたりは工場も多いですよ。 渡辺:テキサス大学がありますから、いわゆる産学共同体なんですね。 --今やSXSWは音楽、映画、インタラクティブの三つ巴でビッグビジネスになっているんですね。 渡辺:SXSW ASIAは儲からないですけどね(笑)。 --全米中の音楽関係者がどっと集まってくるんですか? 麻田:集まってきますね。一番いい例は、一昨年レコードを出してすぐの頃にノラ・ジョーンズが出たんですが、その時にすごく話題になったんですよ。 --それがブレイクの起点になった。 麻田:明らかにそうですね。そこですごく噂になって、同年にグラミーを獲りましたからね。もちろんグラミーを獲れば一般的な知名度は上がるんですが、音楽業界内での知名度はSXSWで上がったと思います。 --逆にSXSWの知名度も上がりますね。 麻田:もちろんそれもそうですが、ここで話題を作るためにみんながSXSWを利用していますね。 --そうなると日本におけるSXSWの認知度も上げないといけませんよね。 麻田:そうですね(笑)。参加しはじめて来年10年目なんですが、最初の年はPUGSがすぐにレコードディールできましたし、その後幾つかのバンドはアメリカのインディーズからCDを出したんですが、メジャー的な成功をしていないので、来年までに何とか成功させたいなと思っています。そうなれば皆さんの励みにもなるでしょうしね。 |
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