第84回 小室 哲哉 氏
4. 音楽が売れる環境作りをしていきたい
−−健康面で気遣ってらっしゃることはありますか?
小室:特にないんですよね。健康とは関係ないかもしれないんですけど、音楽が好きと言い続けてますが、カラオケに2時間はちょっと耐えられないので避けてしまいますね。カラオケを否定するわけではもちろんなくて、膨大な楽曲数があってそれを瞬時に出さなくてはいけないわけですから音が全部同じように聞こえてもしょうがないとは思います。カラオケ自体ももう少し何か加えるとこができれば、質を上げることはできるような気がしますね。
先日、皆さんがカラオケで唄うオーディションに行かせていただいたんですけど、ほとんどカラオケの打ち込みなので例えばピアノのイントロから始まる曲でもコードから何から何までピシッとめちゃめちゃ揃っていて、歌い手一人だけが生身でそこにポツンといるとやはり音楽のコミュニケーションであったり呼吸がないですよね。それは上手い下手ではなく、あれに合わせるのは不可能だろうというくらい打ち込みのリズムもCならCのコードも完璧過ぎて、それに慣れてしまっていて歌うというのも酷だなとは感じましたし、癖や個性も出しようがないですよね。もちろん市況が原因というところも大きくて、生身のミュージシャンを5~6人使うと何倍もお金がかかるわけで、打ち込みでディスプレイを使って簡単にそして安くあげなければ成り立たないと思うのでしょうがないとは思いますけど。
−−それはカラオケだけでなく、最近は一般的にリリースされる作品にも同じ傾向がみられるように感じます。
小室:今一番頼もしいのはNHKの「のど自慢」ですよ。あれは生バンドですよね。
−−え?!「のど自慢」を観てらっしゃるんですか?!
小室:いや、さすがに毎週欠かさずということではないですけどね(笑)。ふとしたときについていると見てしまうという感じですが、あれは素人さんのノリがあって真似ようとしているわけではなくて、好きな歌を好きなように唄う様を見ながらバンドの人たちが合わせていくのですごくグルーヴがあるんですよね。
−−意外なご意見で驚きました。
小室:鐘を鳴らす人もいつ鳴らすのかを伺っているという緊張感があるんですよ。「これは1コーラスまでかな」とか「鐘2つかな」と誰もが予想すると思うので鐘を鳴らす人もすごいテンションが上がっていると思うんですよね(笑)。
−−確かにそうですね(笑)。全員が生身の人間ですもんね。
小室:「のど自慢」も一つの音楽として考えると、鐘が鳴ってしまえばそこで演奏する人も唄う人も全員が止めなければならないので指揮者のような存在ですよね。長年やっていると思いますが今でも面白い音楽番組だと思います。
−−最後になりますが今後の予定をお聞かせ下さい。
小室:新しい日本初のビジネスモデルを、海外で成功している事例を取り入れながら提示できて、それが国内外のメディアにとりあげられることが一番だと思うんですね。音楽がヒットするとかは副産物にしてもいいのかなと思います。音楽からではなく、1つの環境を作って、例えばブルーレイが1つの環境だとしたら、その上に音楽がのっていて副産物としてその音楽が売れていくほうがいいと思っています。
−−globeとしての活動やステージに立たれる予定はありますか?
小室:一握りの本当のファンの方たちのためにはいくらでもやりたいなとは思っています。演奏はしたいですし、音楽が好きなことは間違いないので、好きな者同士楽しめればいいかなと思っています。でも、それを武器にして何かを、ということで済むような音楽市況じゃないと思うんですね。そんなに独りよがりじゃ駄目な状況だと思っています。
−−ポール・ポッツやスーザン・ボイルなどを輩出しているイギリスのオーディション番組(「Britain's Got Talent」英:ITV)がすごく盛り上がって世界的な話題になっていますが、日本でももう一度オーディション番組をやる可能性はありますか?
小室:そうですね。そういうことも含めて新しいことは考えていますし、僕がやれる限りのことはやりたいと思います。エイベックスもエンターテインメント業界が活性化するための役割は担っているわけですし、エイベックスが活気づいてくれば業界全体も活気づいてくると思います。その中で今後、僕もお手伝いができればいいなと思っています。
−−本日はお忙しい中ありがとうございました。小室さんの益々のご活躍をお祈りしております。
小室:特にないんですよね。健康とは関係ないかもしれないんですけど、音楽が好きと言い続けてますが、カラオケに2時間はちょっと耐えられないので避けてしまいますね。カラオケを否定するわけではもちろんなくて、膨大な楽曲数があってそれを瞬時に出さなくてはいけないわけですから音が全部同じように聞こえてもしょうがないとは思います。カラオケ自体ももう少し何か加えるとこができれば、質を上げることはできるような気がしますね。
先日、皆さんがカラオケで唄うオーディションに行かせていただいたんですけど、ほとんどカラオケの打ち込みなので例えばピアノのイントロから始まる曲でもコードから何から何までピシッとめちゃめちゃ揃っていて、歌い手一人だけが生身でそこにポツンといるとやはり音楽のコミュニケーションであったり呼吸がないですよね。それは上手い下手ではなく、あれに合わせるのは不可能だろうというくらい打ち込みのリズムもCならCのコードも完璧過ぎて、それに慣れてしまっていて歌うというのも酷だなとは感じましたし、癖や個性も出しようがないですよね。もちろん市況が原因というところも大きくて、生身のミュージシャンを5~6人使うと何倍もお金がかかるわけで、打ち込みでディスプレイを使って簡単にそして安くあげなければ成り立たないと思うのでしょうがないとは思いますけど。
−−それはカラオケだけでなく、最近は一般的にリリースされる作品にも同じ傾向がみられるように感じます。
小室:今一番頼もしいのはNHKの「のど自慢」ですよ。あれは生バンドですよね。
−−え?!「のど自慢」を観てらっしゃるんですか?!
小室:いや、さすがに毎週欠かさずということではないですけどね(笑)。ふとしたときについていると見てしまうという感じですが、あれは素人さんのノリがあって真似ようとしているわけではなくて、好きな歌を好きなように唄う様を見ながらバンドの人たちが合わせていくのですごくグルーヴがあるんですよね。
−−意外なご意見で驚きました。
小室:鐘を鳴らす人もいつ鳴らすのかを伺っているという緊張感があるんですよ。「これは1コーラスまでかな」とか「鐘2つかな」と誰もが予想すると思うので鐘を鳴らす人もすごいテンションが上がっていると思うんですよね(笑)。
−−確かにそうですね(笑)。全員が生身の人間ですもんね。
小室:「のど自慢」も一つの音楽として考えると、鐘が鳴ってしまえばそこで演奏する人も唄う人も全員が止めなければならないので指揮者のような存在ですよね。長年やっていると思いますが今でも面白い音楽番組だと思います。
−−最後になりますが今後の予定をお聞かせ下さい。
小室:新しい日本初のビジネスモデルを、海外で成功している事例を取り入れながら提示できて、それが国内外のメディアにとりあげられることが一番だと思うんですね。音楽がヒットするとかは副産物にしてもいいのかなと思います。音楽からではなく、1つの環境を作って、例えばブルーレイが1つの環境だとしたら、その上に音楽がのっていて副産物としてその音楽が売れていくほうがいいと思っています。
−−globeとしての活動やステージに立たれる予定はありますか?
小室:一握りの本当のファンの方たちのためにはいくらでもやりたいなとは思っています。演奏はしたいですし、音楽が好きなことは間違いないので、好きな者同士楽しめればいいかなと思っています。でも、それを武器にして何かを、ということで済むような音楽市況じゃないと思うんですね。そんなに独りよがりじゃ駄目な状況だと思っています。
−−ポール・ポッツやスーザン・ボイルなどを輩出しているイギリスのオーディション番組(「Britain's Got Talent」英:ITV)がすごく盛り上がって世界的な話題になっていますが、日本でももう一度オーディション番組をやる可能性はありますか?
小室:そうですね。そういうことも含めて新しいことは考えていますし、僕がやれる限りのことはやりたいと思います。エイベックスもエンターテインメント業界が活性化するための役割は担っているわけですし、エイベックスが活気づいてくれば業界全体も活気づいてくると思います。その中で今後、僕もお手伝いができればいいなと思っています。
−−本日はお忙しい中ありがとうございました。小室さんの益々のご活躍をお祈りしております。

(インタビュアー:Musicman発行人 屋代卓也/山浦正彦)
今回のインタビューは、連日の音楽制作活動でご多忙の中、貴重なお時間をいただき実現したインタビューでした。小室さんはメディアで拝見していたイメージと変わらず、物腰が柔らかく、穏やかな方で、短い時間ながらも音楽について様々な角度からお話をしてくださいました。また、国のエンターテインメント支援についての現状や、日本の音楽の輸出について、プロデューサー/ミュージシャンとしてではなく、音楽ビジネスに携わる一人として「今後、日本の音楽産業が発展するためにはどうしたらいいか」ということを考えていらっしゃったことが特に印象的でした。今後もたくさんの素晴らしい楽曲を発表してくださることを期待しております。
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