−−前回、ご登場いただきました石坂敬一さんとの出会いやご関係は?
松浦:業界に入りたての頃は全く相手にされなかったですね(笑)。何回名刺を出したかわからないです。その度に知らないふりをされていました、というのは大げさですが(笑)、石坂さんがレコード協会の会長になられてからは色んな所でお会いするようになって、普段はあまり話す方ではないですけど、ある時点から僕を認めてくださったのか、何回か会食したりしているうちに、ゆっくり話をするようになりましたね。その後、パーティーとかでお会いすると近づいてきて握手してくれるようになりました。それがここ2〜3年のことじゃないでしょうか。
−−では、ここからは御社と松浦さんご自身について伺っていきたいのですが、社長業についてお聞かせください。
松浦:社長業というのは、当初どのような仕事をすればいいのかわかりませんでした。小さい会社の社長ならやったことがありましたが、色々な条件がある中での社長というのはやったことがなかったので戸惑いました。株主総会1つとっても、初めは何もわかりませんでしたが、3〜4年経ってやっとわかってきたのかなと思いますね。ただ、どこの会社でも同じなんでしょうけど、エイベックスは特に目立つ会社(存在)なので、何かトラブルがあったときに対する重責と、いつなにが起こるかわからないという恐怖心はいつも頭から離れないですね。
−−「avex way 1988〜2005」(2005年に社内向けに作られたavexのヒストリー書籍)というのを読ませていただいて、ドラマチックですごく面白かったです。ブログのタイトル「仕事が遊びで遊びが仕事」も社長のブログっぽくなくてユニークですよね(笑)。
松浦:あのタイトルの本当の意味は「24時間仕事」という意味なんですよ。要するに仕事も遊びもないということですから本当はきついんです。普通に読むと楽しそうに感じますけど(笑)。
−−意外だったのは、avex wayに「いつもドキドキしながら毎日生活していて心が休まったことがない」というようなことが書いてありましたし、ブログにも「夜もぐっすり眠れなくて目が覚めてしまう」というようなことが書かれていたので、はたから見ていた松浦さんのイメージとはずいぶん違うなと思ってしまいました。
松浦:それは性格なんじゃないですかね。楽観的に考えられればいいんでしょうけれど、僕はいつも悩みを抱えているようなところがあります。しかも悩みがなければ、悩みを探しているんですよ(笑)。こういう性格なので物事に対して楽しいだとか、楽ちんだとかあまり思わないですね。
−−今もあまり熟睡できないんですか?
松浦:1時間ごとに目が覚めるぐらいですかね。1度、あまりに眠れなくて入院したことがあるんですよ。そのとき起きた時間を自分で記録してみたら6〜7時間の睡眠で4〜5回起きていたんです。1時間ごとに看護士さんが見に来ていたんですけど、僕はそれには気がついていないんです。だから寝てないって言うけど、眠りが浅くて寝ている気がしないだけなんだなと。1年ほど前から針や整体を始めたんですが、それは割と効果がありました。
−−ウェイクボードがお好きだということですけど、そういったことはストレス発散になっていいんじゃないでしょうか?
松浦:数年間ハワイに住んでいた頃はそういう気にもなって、ウェイクボードはやっていたんですけど、日本に戻ってきてからはいつ電話がかかってくるかわからないし、海や湖の上にいたらすぐ戻れないからほとんど行っていないですね。
−−本当に24時間体制で仕事のことを考えてしまう性格なんですね。それは若い時からですか?
松浦:若いときの方がもっと考えていました。今は考えたくないと思う時間もありますけど…。
−−では、話題を変えますが、エイベックスは学生時代の仲間が友達が友達を呼ぶような形で会社が出来上がっていますね。小さな規模だったらあり得ると思うんですが、会社が大きな規模になってもそれが続いているというのは本当に珍しいですよね。
松浦:同じ学年だったというだけで林(エイベックス・グループ・ホールディングス(株)常務取締役 林 真司氏)も小林(エイベックス・グループ・ホールディングス(株)取締役 小林 敏雄氏)も毎日一緒に遊んでいたというわけではないんです。たまたま貸しレコード屋でバイトしたら同じ高校の同じ学年だったというだけで、そこからなので。今も昔も一緒にご飯を食べに行くことはそれほど多くはありませんね。
−−3人揃っては行かれないんですね。
松浦:そう言うと「仲悪いの?」と思われるんですけど、別に仲が悪いわけじゃないんですよ(笑)。僕はお酒を飲みますけど二人は飲まない。さらに、仕事の仕方や趣味も違う。性格も三者三様で、林は外向的な業務が担当で、小林は管理業務という違いもあります。ですから一緒にいるのは会社のイベントが多いですね。
−−皆さん三者三様だからこそ、逆にバランスが良いんでしょうね。
松浦:そうですね。昔から役割分担がそれぞれ明確で、僕が指示をして、小林がそれを守って、林が中間に立つという形は貸しレコード屋で働いていた頃から変わらないですね。
−−人との繋がりの中で知り合った方を要所要所に据えてらっしゃいますね。
松浦:それは会社設立当初、20〜30人だった頃の話です。レコード会社として成り立ってきた頃には、普通の採用になっていますね。
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