作曲家
宮川 泰 氏
モダンジャズの発展…ジョージ・シアリング・サウンドの魅力

僕はジャズをスイング時代もやってたし、東京出てきた頃はモダンジャズが始まった頃でね。日本で最初にモダンジャズをやり始めたのが中村八大さんがやってたシックスジョーズの「ジョージ・シアリングサウンド」。ピアノとバイブとギター。この3人で音出すんですよ。あとはドラムとベースね。ピアノが中心になって、バイブラフォンとギターで、メロディを全部やる。バイブラフォンの高さのちょうど1オクターブ下がギターの高さで、その間にピアノが大事な音を全部埋めてるの。そのサウンドっていうのはモダンジャズにはそれまでなかったんです。それをジョージ・シアリングが、彼はイギリスだから、アメリカに行っても真似はできるけど自分の個性まだできなかった、そのときにレオナルド・フェザーって有名な評論家がジョージ・シアリングにアドバイスしたんですよ。フルバンドでサキソフォンが5本の指でやってる音をピアノで押さえる、その下をバイブとギターで同じように♪カカンカッカカン、カカンカッカカン♪って、そういうのを作ったらどうだって言われて、ジョージ・シアリングはほら、目が見えないからサンキュー、サンキューって言って感動して、やってみたら大成功した。モダンジャズは難しくなっていくのに、ジョージ・シアリングのやってたこのサウンドは半分コマーシャル的で誰が聞いてもわかりやすくて、室内学風でうるさくなくて上品でお洒落で、みんなが聞いたことあるような曲がちょっといじってあるのがなんともお洒落だった。それで一世を風靡したのね。

日本でもみんな真似てさ。俺なんかもよくやってた。ところがある時期続いて、ジョージ・シアリングが何を思ったかラテンが好きになって、ラテンにそのサウンドを持っていって、ラテンばっかりやるようになって、それでみんなからひんしゅくを買ってしまったの。それで落っこちちゃった。それでも80年代くらいにはまたカムバックしてね、ジョージ・シアリングのレコードいっぱい出てるんですよ。もう最近はもうそろそろあぶないからね、出してないとは思うけど。

それでシックスジョーズのリーダー渡辺晋さんがね、そのジョージ・シアリング・サウンドは中村八大さんがいたからそのサウンドを取り入れたんですよ。バイブもいるし、テナー(サックス)の松本英彦さんもいたから、そのメロディーにうすーくのってね、新しいサウンドなんだけど、あくまでもジョージ・シアリングのコピーってことで。それで日本中まわったんだけど、やっぱりそのサウンドだけじゃダメなのね。松本英彦さんのワンマンショーがないと。彼がブヮ〜ってやったおかげでバンド全体がものすごく人気がでたのね。

そういうのを見てきたから、僕は今でも難しいジャズはできなくてね。大阪にいたころからジョージ・シアリング・サウンドとか勉強してたからね。

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