| アメリカなんか面白いのはニューヨークタイムズとか大メジャーな新聞であっても音楽欄が2ページあるんですけど、そこで時によっては写真入りで「悪い」って載ってるんですよ (笑) 「このバンドは悪かった」って (笑) 悪いんだったら書かなきゃ良いのにって (笑) ジャーナリストがそのバンドに興味を持って取材しようと思って足を運んで見たら悪かった、それを素直に書いちゃうんですよ。写真入りで「このバンドに未来はない」ってはっきり (笑) それ見たら頭抱えちゃうじゃないですか。でも、それが普通。両極端に言われるのが普通なんで、書く方、見る方、やる方もそれが当たり前だと思ってますから、逆にバンドの人間もそういう風に言われちゃったら「違う風にやってみるか」って、そういう風に言われたからってダメっていう事じゃなくて。 |
| ●昔からローリングストーン紙とかそうでした。 |
| それが普通ですよ。みんな「良い、良い」って言われちゃうと本当に良いっていう風に思えないじゃないですか。 |
| ●今時の若いやつはそういうのわかってますよね。 |
| わかってますよね。だからCDレビューの欄っていうのはただレコード会社が出してるだけであそこを見て買う人はいないですよ。あそこに書いてあるのは信用出来ないですから。だから昔みたいにあの評論家が書いてある事は信頼出来て「あいつの言う事だったら買ってみよう」なんていう買い方は一時期までだったらMUSIC MAGAZINEとか権威があってMUSIC MAGAZINEに載ってる新譜は良いんじゃないかって思ってましたよね。でも今やMUSIC MAGAZINEでさえ業界誌と化して業界情報誌みたいな雑誌になって。今や中村とうようさんの精神はどうしたんだっていう感じはありますけどね。 |
| ●片やそういうところからはじめた渋谷陽一は成功してますね。 |
| そうですね、彼は日本のやり方に乗っ取ったやり方をしたっていうか、まず彼はラッキーだったですよNHKの媒体を自分が持ってたっていう事で。彼はNHKっていうものを最大限に上手く使えたっていうことが。未だにNHKの番組プロデューサーでもあるじゃないですか。それはとても大きかったですね。ロッキンオンっていう雑誌がどういう風に動いたかっていうより彼自体のメディアの中での影響力。NHKっていうものをバックグラウンドにそれが出来たって事がとてもラッキーだったと思います。羨ましいですよね。 |
| ●実に良い成功の仕方してますよね。 |
| そうですね。だから彼とするとロッキンオンジャパンで今何が起こってて何が載ってるかっていうのはたぶん興味ないと思いますね (笑) それより彼が70年代に評論家兼ラジオのDJやってた時の精神は彼の中にあるだろうし、それを自分の中で温めてキープ出来てればそれで良いと私は思ってますよ。でもビジネスとしてはそうじゃなくて今のロッキンオンジャパンのようなやり方をとればそれなりにお金にはなるし、だから個人の中と会社は別に切り離す。 |
| ●キース・カフーンみたいに。 |
| でもキース・カフーンの場合は日本に住むこと自体楽しいっていうのもあると思いますけど、日本の音楽業界に接する事に対してはストレスがあると思うんですよね。ただ渋谷陽一さんの場合はストレスっていうのは飛び越えてもう無いような気がしますよね。彼自身のステータスがありますから、渋谷さんに楯突く人もいないだろうし、彼が嫌だと思うような状況が毎日起こるというような事もないだろうけどキース・カフーンの場合は色々あると思いますよ。文化的に彼の思想、考え方が通用しないですから「ま、いっか」と思えるような状況が彼には起こり得ないじゃないですか。 |
| ---次回第3部:「ユーモアを含んだ音楽を通して日本人のアイデンティティを世界に」では大いなる心意気でアメリカに挑戦している現在形のホッピー戦略を披露、その胸奥に秘められた◯◯◯が、やっぱりいちばんのハイライト! |