コンポーザー/プロデューサー/ミュージシャン
佐久間正英 氏
超絶!達人の世界

たぶん、どちらが良いかって時の決断がものすごく早いんだと思います。
●なるほど。ところで話は変わるんですけど、リズムの1/1000秒の違いがわかるようになったそうですが、その話は本当ですか?
えぇ、それはそういう状態になってる時はね。実際にわかってるかどうかは思い込みかもしれないですけどね。
●いつ頃の話ですか?
それはプラスティックス以降に仕事してる時ですね。MIDIが出だして、タイミングはCVゲートでやった時と違うなって事に気付いて、MIDIで遅れるにしてもヘンだなみたいな。それで色々試してみたりしてて、実際にズレたとか認識するのはどれぐらいなんだろうって。そうる透(ドラマー)と仕事すると、彼もものすごい正確な人だから、ベースとドラムでやってて、「今のズレたもう一回」って時どれぐらいズレてるんだろうっていうのを試しにやってみたりとか (笑) 例えばパッドでMC4に直接データ入力してどれぐらいズレてるもんなんだろうって二人でいろいろ実験してみたりとかしてその結果… (笑)
●1/1000秒っていうのはすごいですよね (笑)
それが1/1000秒かどうかは実際にはわからないんですけど、その頃聞いた話で王選手がインパクトの瞬間にボールが止まって見えるとか、ゴルフなんかでもそうみたいで、青木とかが、1/2000秒ぐらいで当たる瞬間にフックするかドローするかを切り替えられるらしいんですよ。そうすると、たぶん人間っていうのは1/1000秒までいかなくても1/500秒とかそれぐらいの単位で、ノリを前にするだ、後ろにするだ、ちょっと溜めるだって言ってるんじゃないかな。でも実は5ミリ10ミリの話だったりするかもしれないけど、でも15ミリ狂ってると素人にもズレてるってバレちゃうみたいな (笑)
●まさに音楽っていうのが、時間の芸術って事ですよね。ギターのカッティングも6弦から1弦にいく間に時間の差はあるわけですよね。
それがどのくらいの秒数でいってるかとかそういうのが考え出すと結構興味深くて、実際寸法はかって何秒でって計算してみたりとか (笑)
例えばドラムできれいなショットする人が16でバァーッていくつのテンポでやった時にヘッドのスピードは時速何キロぐらいなんだろうとか。そうすると実際にズラす為にはどれだけのスピード変更が必要でとかいう風に考えていくと …(笑)
●ドラマーのプロフィール書くときにヘッドスピードを書いておくとか (笑) そこまでいくと、まさに達人の世界ですよね。
達人の世界的な意味でいうと、その後仕事しててターニングポイントになったのが32〜33歳ぐらいに、アレンジの仕事とかいっぱいやってた頃、音に対してちょっとノイローゼっぽくなってきて、例えば喫茶店入ろうが、どこ行こうが、BGM流れてたりすると、音符を追っちゃうんですよ (笑) 最悪なのがジャズなんかかかってた日にはアドリブをずーっと追っちゃって、会話になんないわけですよ (笑) それが1/1000秒がどうのとかそういう事を考えたり気にしてた時期なんですけど。それでこれはひどいなと思ったのが、疲れすぎてるからたまにはクラシックでも聴こうと思って、小学校以来久々にNHKホールにN響のコンサートを見に行って、たまたま2階の最前列だったんですけど、聴いてて、誰が間違えたかわかっちゃうんですよ。それも思い込みなんでしょうけど、カンとしてあの人ずれたとか、ビオラの何番目の人が遅れたとか、あの人ピッチ低いとか (笑)
●それじゃあ全然楽しめないじゃないですか! (笑)
---ヤバクなってきました (笑) 後編ではこの音楽家としての最大のピンチ脱出、そして圧倒的な仕事量をこなせるようになった秘術?を公開、その他ビッグ・アーティスト達の楽しい話が続きます。乞うご期待!

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