FOCUS

日々、懸命に歌い続けて
雪村いづみ インタビュー

雪村いづみ
雪村 いづみ

デビュー60周年、そして喜寿を迎えられ、ますます活発に活動される雪村いづみさん。’53年に16歳でデビューされ、以来ヒット曲を連発。故 美空ひばりさん、故 江利チエミさんとともに「三人娘」としても人気を博し、’59年からはテレビ出演や公演で長期のアメリカツアーと、半世紀以上、日本のポピュラーミュージック、ショービジネスをリードする存在です。デビュー60周年の締めくくりとして行われる記念コンサートを11月に控える雪村さんにお話を伺いました。
PROFILE
雪村 いづみ(ゆきむら・いずみ)

1937年東京生れ。1953年に「想い出のワルツ」でビクターよりデビュー。「青いカナリヤ」「オウ・マイ・パパ」など多くのヒット曲をリリースし、1998年には紫綬褒章を受章。2004年にはレコード大賞「功労賞」を受賞している。また、美空ひばり、江利チエミと共に「三人娘」として映画界に進出。ポピュラーソングは勿論、ジャズ、カントリー、シャンソンから歌謡曲まで様々なジャンルを歌い、その歌声は歳を重ねる毎に深みを増している。今年デビュー60周年を迎える。

メイドさんになり損なった日に歌手になった

── 今年2月には佐野元春さんとのコラボレーションアルバム「トーキョー・シック」と佐野さん監修のベスト盤「スーパー・シック〜雪村いづみオールタイム・ベストアルバム」をリリースされましたね。

雪村:そうですね。そのアルバムと11月のコンサートを60周年の最後にしようと思って、佐野さんにファンレターを書いちゃったの! そうしたらこんなに良くしてくれて(笑)。もう、あれだけのことをしてくれる人はいないですよ。

── 雪村さんが佐野さんにラブレター、いやファンレターを書かれたんですか?

雪村:ラブレターは書かないわよ、ファンレター(笑)。恋は一番くたびれちゃう。仕事もあれくらいやればいいのにね(笑)。

雪村いづみ「トーキョー・シック」
▲佐野元春とのコラボレーションアルバム「トーキョー・シック」

── (笑)。佐野さんは小さい頃ラジオで雪村さんの歌を聴いて好きになったとか。

雪村:私のデビューがテレビの開始と同じだと思っていたら、それより1年前から私は歌っていたのよ。すっかり忘れていたわ。

── グロリア・デ・ヘブンの「ビコーズ・オブ・ユー」という曲がデビューのきっかけになったそうですね。

雪村:そうなの。私が友だちのお家に行って、「ビコーズ・オブ・ユー」を聴かせてもらったの。家には機械もなにもなかったから、その友だちの家で「ビコーズ・オブ・ユー」を覚えさせてもらいました。

── 耳コピですね。

雪村:耳コピ。一所懸命R(アール)とL(エル)の違いとか、アイウエオも英語は全然違うから、真剣に聴きながらね。アールには印をつけたりしながら覚えて。その「ビコーズ・オブ・ユー」を1曲知っちゃったために、歌手になっちゃったんだけど。

実はそのちょっと後に、遠い親戚の仲代達矢さんと一緒に俳優座を受けているんですよ。でも、私は筆記試験で何も書けなくて(笑)、「来年来なさい」って言われたんだけど、その翌年に歌手になっちゃったの。仲代さんはそのまま俳優座に入って、立派な俳優さんになったわね(笑)。



── 自分でもその頃から歌手になろうという意志は固かったんですか?

雪村:意志はなかったんですけど。なんで歌手になっちゃったんだろうね(笑)。

── (笑)。歌手になるきっかけは何だったんですか?

雪村:麻布の知り合いの家でメイドさんを募集していたから、雇ってもらおうと行ったら、「あなたは小柄で、か細いから使えません」と断られ、ガックリきちゃって、新橋のフロリダというダンスホールまでとぼとぼ歩いて行ったの。

そのダンスホールの2階で母の知り合いのマネージャーの人に、アイスクリームをご馳走になったんだけど、突然「あ、『ビコーズ・オブ・ユー』なら唄える! 英語の歌が唄えるかもしれない」とひらめいて歌わせてもらおうとお願いしたら、「いいよ」って。それでバンド・リーダーと相談したら「ワンコーラス目は男性のキー、ツーコーラス目が女性のキーだよ」と言われて(笑)。

── ぶっつけ本番で歌われたんですね。

雪村:そう。それで大きいマイクを前に一生懸命歌ったら、ダンスしていた人たちがみんな踊りを止めて、ステージに寄ってきてくれて、拍手してくれちゃったの! で、「明日からおいで」って言われたのよ。だから、私はメイドさんになり損なった日に歌手になっているの。

── すごい運命ですね。

雪村:ラッキーと言えばラッキーだけど(笑)。

── 歌手になるために生まれてきたんですね。

雪村:いや、そのデスティニーばっかりは分からないわよね。明日のことも、何も分からないもの。だから今を一所懸命やるしかないと思っているの。なーんて、無頓着な言い訳だけど(笑)。




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