【コラム】「レコー道ツアー」でアジア随一のレコードプレス工場 東洋化成を見学してきた。

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【コラム】「レコー道ツアー」でアジア随一のレコードプレス工場 東洋化成を見学してきた

熟練の職人技術に感動

「沖野修也と行く!アナログレコードの良さに触れるレコー道ツアー!」が、「LPレコードの日」の翌日、3月21日に開催され、Musicman-NETもその一員としてツアーに参加してきました。

「レコー道ツアー」は今回が3回目。「レコードの製造工程を音楽ファンに見学してもらい、改めてレコードの魅力を再発見してもらう」という主旨のもと過去2回開催され、アナログレコード再評価の波ととともに大盛況となった。普段は一般の見学を受け付けていないという東洋化成のレコードプレス工場を見学できる唯一のツアーとして、アナログ好き、はたまた多くの音楽ファンから熱い視線を受けている。

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「アナログレコード再発見ツアー」号

沖野修也氏と参加者26名を乗せたバスが13時に渋谷を出発。道行きでは沖野氏が同行した音元出版「Net Audio」編集長 浅田陽介氏にアナログレコードに対する素朴な疑問をぶつける形でトークを展開。昨今のデジタルオーディオはいかにアナログに近づけるかが大きなテーマとなっているが、なかなか難しいと浅田氏。参加者も両者のやり取りに熱心に耳を傾けていた。

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今回のツアーゲスト 沖野修也氏、アナログの魅力を語りかけます

1時間ほどで横浜市鶴見区の東洋化成 末広工場に到着。二班に分かれて、カッティング工程とプレス工程の見学。

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東洋化成 末広工場に到着です


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工場の玄関ホール。プレスされたレコードや各種の盤(額内)がお出迎え

カッティング・ルームでは東洋化成のカッティング・エンジニア 西谷俊介氏の説明を聞きながら、その工程を学ぶ。今回、元になる音源は沖野氏の楽曲で、持ち込まれたCDからのカッティング。近年マスターのほとんどはデジタルメディアだそうだ。

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実際にマスターの音を流しながら調整をする西谷氏

西谷氏が音をモニターしつつ、調整卓で音量や音質を調整。その後、溝を刻むラッカー盤をセット。音溝の違いを確認するため、まず音の信号を入れない状態でカッティング。そのラッカー盤を覗くと、真っ直ぐな溝が刻まれているのが確認できる。

続いて、実際に音の信号を送りカッティングした溝を覗いてみると、溝にさまざまな起伏ができている。ちなみに高音域が強い場合は細かいノコギリのような溝に、低域が強い場合は横に大きな振幅の溝となってカットされる。

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ツルツルのラッカー盤に音溝が刻まれていきます


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顕微鏡で実際に音溝の違いを確認

その後、できたてほやほやのラッカー盤を再生。デジタルマスターからアナログにカットすることで、若干音の変化があるので、そういった音の変化を含めてクライアントと音の確認をして、OKであれば全く同じ条件で、少し大きい14inch盤に本番カッティングをするそうだ。

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カッティング・エンジニア 西谷俊介氏とカッティングマシン

アナログカットをした音源を聴いて沖野氏は「スタジオから音を持ち帰ったときに『ちょっと弱いな』と思っていた弦楽器の音がすごく良くなった」とその印象を述べ、加えて「アナログカットすることで良くなる音があるんですか?」と西谷氏に質問。

西谷氏は「今のデジタルメディアは高域周波数帯が歪み無く録音できますが、アナログだと高域周波数帯が強すぎると音が削れて入らない部分が出てきます。そのことによって中低域が少し持ち上がって聞こえるという擬似的な音像ができあがります」とアナログの特性を説明。沖野氏は「アナログの、音が中心に集まったような印象はそういう理由からなんですね」と感想を述べた。

カッティングルームで完成したラッカー盤は、メッキ工程に運ばれ、マスター盤→マザー盤→スタンパー盤の順に作成。元であるラッカー盤から音の変化がないように慎重に作業される。そして、完成したスタンパー盤を元にプレス作業が行われる。

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マスター、マザー、スタンパー盤各種(左)とレコードの原材料(右)

アイスホッケーのパックのような形状のレコード原料(塩化ビニール)をレーベルで挟み、スタンパー盤でプレス。その過程全てで、熟練の職人さんたちが、鋭い視線を送っている。プレスにより次々生み出されるアナログレコードを見ていると、音そのものが生み出されているようで、その様は圧巻、感動である。なお、LP1枚のプレスに約30秒かかり、1日で約2,500枚が限界だそうだ。その後、レコードの包装作業が全て手作業で行われ、レコードが完成する。

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次々とLPがプレスされていきます。できたてのアナログレコードたち


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こちらは7inchをプレス中